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「やりたい!」の鮮度

 

 晴れた日中でもキンとした冷えが感じられるようになったこのごろ。ボートのこどもたちを見ていて、ふと思うことがあります。 

 突然思いつく「やりたい!」に対して、その場で「すぐに」取り掛かって、やりたいように「やってみる」・・・それって実はすごいことなんじゃないか? 

ボートではあたりまえの日常になっているそんな過ごし方は、大人になってみると実は難しいことなのだと感じます。○○してみたい!と思い立っても、その場でまとまった時間がなければネットで調べるだけになったり、仕事や家事が優先されてタイミングが合わなかったり…理由は様々あれど、結局後回しになりがちではありませんか?(私だけかもしれません…) 

 一方で、こどもたちにはタイミングや時間、準備なんてあまり関係ないのだと思います。もうすぐお迎えが来る時間帯でも「今からxxやるんだ!」と意気込んで始めますし、モノづくりでは先に必要な材料を全部揃えてから・・・なんて悠長なことはしません。手元にある物で取り掛かり、途中で足りなくなれば入手しに行き、無理なら代用品を考える。後先考えないで取り掛かれるって、大人になると難しいなぁと思ってしまいます。 

 “思い立ったが吉日”という諺がありますが、彼らにとっては“吉”というよりも、「今すぐじゃないとだめ!」という気持ちなのでしょう。自分の中で湧いた熱意は時間が空けば空くほど、当時と同じだけの熱量で取り組むのは難しくなります。こどもの遊びの流行は移り変わりが激しいのでなおさら。それは大人も同じで、後でやってみようと思っていても、いざ自由な時間が得られるとゆっくり休みたくなったり、熱意が薄れてまあいいかと辞めてしまったりして、実行するフットワークの軽さがどんどん失われていくように感じます。 

 「今すぐ」にこだわるこどもたちの熱意と瞬発力は何にも代えがたい才能です。ボートのこどもたちは特にその実行力や決断力、興味に従う好奇心がとても強いです。彼らを見ていると、小さなことも大きなことも、まずはすぐにやってみる・始めてみる、その大切さと楽しさを改めて突き付けられます。 

ボートには「余白」があります。思いつきのままやってみるともちろん思い通りにいかないこともありますが、その「余白」が失敗を受け止めて、もっと挑戦してごらん、と促してくれるのだと思います。「やりたい!」を始めるのは、いつだって「今すぐ!」が最適なんですね。(もえ)

 

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