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こどもにとって遊ぶことの「価値」①

 

こどもたちにとって、遊ぶことはそれ自体が目的であり、結果や評価されることを求めてやっているわけではありません。そういった制約から自由だからこそ、彼らは自分の欲求に貪欲に「遊ぶ」に没頭していきます。しかし、ここでは敢えて「こどもたちが遊ぶ行為を通じて副産物として得ているもの、学びとっていること」に焦点を当て、遊ぶことの「価値」について考えてみます。

 

遊ぶことと、自己学習のかかわり 

 

学校や習い事では、時間割や取り組む内容があらかじめ決まっていて、先生をはじめとした大人から教わることが大半を占めています。しかし、赤ちゃんが歩き方や言葉の発し方を誰かから教わるのではなく、自らの力で習得していくことを思うと、本来人間は自分自身を教育する本能を携えているといえます。 

遊ぶという行為は、誰かから指示されるのではなく、自ずから行うもの。こどもたちは遊ぶことを通じて、自身の持つ可能性をぐんぐんと育んでいるのです。 

人生100年時代といわれ、働き方や生き方が多様化している現代では、決まった成功モデルや生き方の方程式はありません。時代の変化に翻弄されるのではなく、自らの道をしなやかにたくましく生きる。こどもたちが思いっきり遊び浸る経験の中に、それらを育むヒントが眠っているのではないでしょうか。 

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自分の生き方は、自分で決める

 

「遊びの主役」は、当然のことながらこどもたち。遊びを始めるのも、やめるのも、またどんな遊びをするのかも、自分自身で選択できる。自分の感情や意思に正直に動くことを重ねることで「主体性」を身につけていきます。 

自分からやりたいと思って始めたことは、たとえ何かうまくいかないことやトラブルが起きても自分の力でなんとかしようとする。遊びを通じ、そういった「自己責任」の心も育っていきます。 

あらゆる情報にあふれ、多くの人がスマホなどの端末を持ち、AI(人工知能)の進歩も著しい現代。指をスライドするだけで解らしきものが与えられ、人間がどんどん「考えない」「判断しない」ようになっていく状況に危惧を感じています。 

こどもたちが遊ぶことを通じ「自分の生き方を自分で決める」ことを自然と学びとっていってくれたらと願っています。